「ほぉ〜牧野もなかなかやるねぇ〜!」 総二郎! 感心してる場合かよ・・! 「なぁ、司?お前の思い違いって事ねぇーのか? 証拠でもあんのかよ?」 「あいつが自分で認めてんだよ!」 「牧野が?浮気したって? マジかよ・・」 「で、どうすんだよ?」 「何が?」 ボケてんじゃねぇーよ! 「牧野の事だよ! あいつ、他の男と寝たんだろ?別れんのか?それとも許したんか?」 「はぁーー?!あいつが俺以外の男と寝ただぁーー?! 何処のどいつだ?!」 ハァ〜・・・ 「お前が今、言ったんじゃねぇーかよ外科医と浮気したって・・」 「んなわけねぇーだろ! もしあいつが他の男となんて・・ ぶっ殺してやる!!」 「んだよ・・寝てねぇーのかよ・・じゃあ何したんだよ? キスでもしたのか?それとも手でも繋いだか?」 「あいつが俺以外のヤローとキスなんてするわけねぇーだろ!」 「じゃあ牧野はなにしたんだよ?まさか一緒にお茶しただけとか言わねぇーよな?」 「言うかよ!あいつは男と二人でメシ喰いに行きやがったんだよ!」 なんだよ・・食事行っただけかよ・・ 「牧野だって食事ぐらい行くだろ? お前・・大丈夫か?」 「食事に行ったぐらいで浮気したなんて言ったら牧野が可哀相だぜ!」 「うるせぇー!クソー!! 最近、様子がおかしいと思ったら男なんか作りやがって!」 「エキサイトしてるところ水差して悪いけど、牧野にだって付き合いってもんがあるだろうし、 元々あいつは人に好かれるタイプだし友達だって多いだろ?それになお前には10年のブランクがあって 知らねぇーだろうけど俺達が知る限りあいつはずーっと変だぞ!」 「お前ら俺の女をバカにしてんのか?」 あ〜あ〜なんで俺らはこいつと友達やってんだろう・・? 記憶と共に復活した友情は嬉しいがかなりやっかいだ・・・ 「してねぇーよ・・」 「ねぇ、司?牧野がどう変なの?」 「向こうへ行った最初のうちは俺のパートナーとしてちゃんとパーティにも出席してたんだよ! それなのに1ヶ月ほど前から急に嫌だとか言い始めやがって!我が儘なんだよ!あの女!」 この我が儘の代名詞のような男に我が儘だと言われてしまう牧野に同情する・・ 「原因はなんなんだ?牧野に聞いたのか?」 「聞いたよ!でもあいつは自分の胸に手を当ててよ〜く考えてみろ!とか言いやがって! 俺のせいみたく言いやがる!」 「お前、なんか牧野の気に障ること言ったかやったかしたんじゃねぇーのか?」 「なんもしてねぇーよ!」 「無理やり押し倒したとか?」 「なっ!・・ん、んな事するわけねぇーだろーが!!」 あっ!したんだな・・・ 「司〜無理やりはマズいだろう?」 「無理やりなんてやってねぇーよ!まぁ・・多少は強引だったかもしんねぇーけど あいつも酔っ払ってたし最終的には合意の上なんだよ!そ、それにそれは最初の一回だけで 後は普通だったし・・」 真っ赤になりながら説明してくれてるけどよ・・ いらねぇーぞ! そんな説明・・・ 「じゃあそれじゃねぇーな。」 「なぁ、司?お前、牧野が男と食事に行ってその後どうしたんだよ? 今日だってあいつをNYに置いてきたんだろ?その男抹殺でもしてきたのか?」 「してねぇーよ!今回だって連れてこようと思ったけど滋と桜子が来るからって諦めたんだよ! それにあの男に何かしたら別れるとか言いやがったから俺がパリに出張してる間は部屋に監禁してやったんだよ!」 「監禁って・・部屋から一歩も出さなかったのか?」 「24時間SPをドアの前に張り付かせといてやったぜ!」 そこ威張るとこじゃねぇーだろ・・? 「じゃあ、今もあいつ監禁されてんのか?」 「今回はしてねぇーよ!クソッ!あのバカ女! あいつの考える事にはついてけねぇ〜!!」 「今度はなにやったんだ? 男を部屋に連れ込んだとか?」 「SPに見張らせてんのにそんな事あるわけねぇーだろーが!!」 「じゃあ何があったんだよ?」 「あいつ・・部屋をリフォームしやっがた!」 「せ、せんぱい・・?」 「ん?どうしたの? 遠慮しないで入って!入って!」 「キャ〜つくし〜!この部屋素敵〜!!」 「本当?あっ!靴脱いだほうが気持ちいいよ〜!」 「先輩!!」 「どうしたの桜子?大きな声出して?」 「滋さんはどうしてそう普通にしてられるんですか!? それに先輩!!どうして部屋に芝生が敷き詰めてあるんですかーー?!」 「どうしてって・・素敵でしょ? 部屋の中なのに公園に居るみたいで!」 「そ、そんな事、聞いてません! どうして部屋中に芝生なんて敷き詰めたのか聞いてるんです!」 「大きな声出さないでよ・・だから言ったでしょビックリしないでねって・・」 「この部屋を見てビックリしない人が居たらそっちを見てみたいですよ!」 「つくし〜ここすっごく良いねぇ〜! 寝転がったら気持ちいい〜〜。」 「ありがとう滋さん! 滋さんだけだよそう言ってくれたのは・・ 司なんてすっごい剣幕で怒り始めちゃって俺が日本から戻ってくるまでに 元の部屋に戻しておけぇ〜〜!!なんて言うし・・元はと言えばあのバカ男が 私をこの部屋に監禁したからこうなったのに!」 「監禁?つくし!司に監禁なんてされたの?」 「そーなのよ! 聞いてくれる、滋さん? あっ!桜子もこっち来て座って!!」 「日本に出張に行く前にね司はパリに一週間出張してたのよ! その一週間の間、私はずーっとこの部屋から一歩も外に出られなかったのよ!」 「どうして司は監禁なんてしたわけ?」 「私が外科医の彼と食事に行ったのが気に入らなかったみたいなの・・」 「先輩?道明寺さん以外の男性と二人っきりで食事に行ったんですか?」 「二人っきりって言ったって・・彼、ゲイだし・・ それに頼みたい事があるからって言われて食事に行っただけなのよ!?」 「例えそうだとしても道明寺さんにしてみれば他の男性と二人で食事に行くのは面白くないんじゃないですか?」 「あんた・・やけに司の肩持つわね?」 「別に肩なんて持ってませんよ! 道明寺さんに同情はしてますけど。」 「あいつに同情?! 同情だったら私にしてよね!」 「先輩のどこに同情の余地があるんですか?」 「あるわよ! 15人よ!15人!!」 「つくし?なに?その数字。」 「私があのバカ男のパートナーとしてこの半年に出席したパーティーの回数が10回、 そのパーティーであのバカと寝たって女が15人なのよ! その15人が決まって私の事を上から下まで舐め回すように見た後、勝ち誇ったような顔で笑って 嫌味を言い始めるのよ!一人5分だとしても私は人生の貴重な1時間と15分を無駄に過ごした事になるのよ!」 「先輩・・すっごい被害妄想入ってませんか?」 「そんなもの入ってないわよ!」 「ねぇ、つくし?司はその事、知ってるの?」 「知ってるわよ!だってパーティーの間中、ずーっと私から離れないんだもん!」 「もしかして司はその女の人たちがつくしに嫌味を言ってる間、ずっと黙ってたわけ?」 「ずっと黙ってたわけじゃないけど怒りもしないで聞いてたわよ!」 「ひどっ!」 「滋さんもそう思うでしょ!?私もそう思って文句言ったんだけど "俺が愛してるのはお前だけだし、俺が選んだのはお前なんだからもっと自信持て!" とかイラッとくる事しか言わないのよ!」 「それであの外科医さんと食事に行ったの?」 「彼の事は関係なくてもう司と一緒にパーティーに出席しないって言ったのよ。」 「司はなんて?」 「最初は我が儘言うなー!とか言ってたけどね・・その内、諦めたみたいで 今は一人で出席してる。」 「先輩は道明寺さんのパートナーを断って他の男性と食事に行ったんですね? それじゃあ道明寺さんは面白くないんじゃないでしょうか?」 「面白くないのは私の方よ!」 「先輩?道明寺さんは10年間も先輩の事を忘れてたんですよ?」 「そんな事、分かってるわよ!」 「だったら道明寺さんと過去に関係のあった女性だって大勢居ることぐらい分かってますよね?」 「・・分かってるわよ!嫌味言われたりした事に怒ってるんじゃなくて 司の余裕ぶった態度にムカついてるのよ!」 「先輩も言うようになりましたね?」 「どういう意味よ!?」 「褒めてるんですよ!だって先輩は今までお付き合いしてきた方に対して そんな風に感情的になったりした事無かったじゃないですか? 何だかんだ言ったって結局は先輩は道明寺さんの事を愛してるって事なんですよ。」 「勝手に纏めないでよ!」 「もう何でもいいですから、シャワー浴びさせてください。」 「そこの部屋の使っていいわよ。」 ←BACK/NEXT→ |