※このお話しは総つくで甘くもなくHappyEndでもありません。(涙)
むしろかなり切ない・・・かも。文中に死などの文言が登場します。
そのようなお話しが苦手な方はブラウザを閉じる事をお勧めいたします。
以上の事をご了承のうえ、大丈夫だと思われる方のみ↓へどうぞ^^

















一つ一つ季節が移り行き




またこの季節がやってきた





もう何度この季節を向かえたのだろうか・・・?







ある日突然なんの前触れも無く消えてしまった彼女








俺は彼女が永遠に手の届かない場所に行ってしまってから


自身の本当の気持ちに気付いてしまった愚か者





今はもうこの想いを伝える事さえ出来ない







あの日の東京は父島沖を通過していた台風の影響で



前線が刺激され朝から雨模様で夜になっても雨は降り続いていた






信号の無い裏道で朝から降り続く雨の夜






歩く人通りはおろか車さえ疎らな深夜に近い時間





彼女の身体は冷たい雨降るコンクリートの上に投げ出された






飲酒運転によるひき逃げだった






どうして止まり救急車を呼んでくれなかったのか・・・





どうして酒を飲んだ後にハンドルを握ったのか・・・






どうして牧野だったのか・・・






込み上げてくる怒りが激情に変わり



逮捕された犯人へと向かう







大学を卒業して二年





その頃には会う機会もめっきりと減ってはいたけれど




貴重な時間を共に過ごしたかけがえのない仲間だった




記憶を失ったままNYへと行ってしまった司






大学部に進学してからは家業を本格的に手伝い始めた俺達は




類とあきらはそれぞれ親父さんに着いて世界各国を渡り歩く時間が多くなり


ほとんど大学には顔を出さなくなっていた




そんな中で国内での活動が主な俺だけが




大学に頻繁に顔を出し



大学部に進学してきていた牧野とも顔を合わせる時間が多かった




沢山の時間を二人で過ごしてきた






恋人関係ではなかったけれど



気心の知れた女友達として冗談を言い合いながら


時には喧嘩もしながら



穏やかで楽しい時間だった






身近に接してきて牧野がずっと司を愛している事は分かっていた






だからというわけではないが俺は牧野の友人としての地位に満足していたし



それが一番いいと思っていた





だけど今なら分かる事がある・・・




お互いこんなにも近くにいたのに新しい一歩を踏み出さなかったのは



互いに恋愛に対して臆病になっていたから





司から離れられなかった牧野






友人というポジションに満足してしまっていた俺






互いに新しい一歩を踏み出せないまま



切ない片思いを続けていたんだ





今さら後悔しても遅いのは分かっているけれど







あの頃の俺は恋心に気付く前に



家柄や身分などという目には見えない物を前に闘う事を諦めていた




友人でいれば傷つく事はない



友人でいれば牧野を傷つける事もない





傷つく事を恐れ全てを失ってしまった





いくら後悔しても牧野はもういない





今でも時々ふとした瞬間に牧野の姿を探している






街中を走る車窓から・・・



信号待ちの交差点で・・・



街行く大勢の人の中にいるはずのない彼女の姿を探してしまう





今はまだ彼女の姿を探してしまうけれど・・・





いつか必ずきっとまた前を向いて歩き始めるから





その日が来るまで





もう少しだけ





牧野だけの俺でいさせてくれ







〜Fin〜 






















<あとがき>
このお話し一体いつ頃書いたのか?以前のサイトでUpしていたのか?
タイトルは?付いてたのかな?・・・(笑)
びっくりするぐらい自分でも記憶にありません・・・^^;
たぶん2009年ぐらいで・・以前にもUpしていただろう!という
思いっきり曖昧なままですがとりあえずのUpです♪

暗くて救いようのないお話しですが最後までお読みいただきありがとうございました。


       2018/03/22 KiraKira












inserted by FC2 system