なんとか時間通りにホテルに到着して



ホテル内にあるフランス料理のレストランの個室で食事をしていた





食事も終盤に近づきデザートが出てきたころ奥様が私達にした提案が


私と進の運命を一変させる









「つくし、実は今回私が日本に来たのは、
 あなたと進君に大切なお話があったからなのよ。」







「大切なお話ですか?」








英語のよく分からない進は西門さんに通訳してもらっている








「主人とも、話し合って決めた事なんだけど、
 つくしと進君に私達夫婦の子供になって欲しいと思ってるの。」







「・・・えっ・・!?」







進に通訳していた西門さんも一緒に止まってしまい







進に袖を引っ張られて慌てて今の言葉を通訳している






「えーーーーーー!?」








遅れて響いた進の叫び声・・・







奥様は笑顔のままで






「もちろん今すぐ返事が欲しいって言ってるんじゃないのよ。
 ゆっくり考えてくれて構わないから。
 だけど私も主人もあなた達二人に是非私達の家族になって欲しいと思っているのよ。」






「・・・は・い。」







「つくしは急な話だと思っていると思うけど
 私達はずっとあなたみたいな娘さんが私達夫婦の子供だったらどんなにいいか話していたのよ。
 それにね、私達はあなたの事が心配なの。
 だから進君と一緒にまたアメリカに来て大学をちゃんと卒業して欲しいと思っているのよ。」








優しい笑顔で進にも分かるようにゆっくりと話してくださっている奥様の言葉に涙が溢れ出す・・







「・・・少し考えさせてください。
 これからの事は進ともゆっくり話し合って決めたいんです。」








「分かっているわ。急がないから。
 私は一週間の予定でこちらにいるつもりだけど、
 希望としては一週間後、三人でアメリカに帰れればいいんだけどね。」










「分かりました。」













養子縁組の話は私と進、そして西門さんも一緒に



三人でゆっくりと話し合い





いろいろ考えて養子縁組の申し出を受ける事にした






やはり私は大学をちゃんと卒業したかった



それにまだ未成年の進にとってもその方がいいと思ったから





西門さんも将来の事を考えて賛成してくれた








進の学校の事などもあり一週間後、奥様と一緒にというわけにはいかなかっけど




それでも一ヵ月後全ての手続きを終え私は進を連れてアメリカ・・・へと旅立った







今回も西門さんが見送りに来てくれた








また、彼が背中を押してくれた

























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