「私と結婚しない?」









そう言った私の言葉に道明寺は動かなくなってしまった・・







名前を呼んでも顔の前で手をヒラヒラさせても全く反応無し・・










試しにツンツンと肩の辺りを突いてみたけど反応なしで








完全に固まっちゃっている










プロポーズしただけなんだけど・・







私、そんなに変な事言ったかしら?







固まっている道明寺はしばらくそのままにしておいて






今までの自分の事を思い返してみる・・・










これまでいろんな事があった









東京からロンドンへ留学して







ロンドンからNYへと辿り着いて









辛い事も悲しい事も沢山あったけど








それ以上に楽しい事や嬉しい事も沢山あった











沢山の人達に支えられて過ごしてきた








仕事は大変だったけど







マットと喧嘩しながらも充実した毎日で









大学を卒業して三年、仕事も順調で進の結婚式の為に訪れていたカンクンで









思いがけず道明寺達と再会して









私の中で今まで封じ込めていた想いが鮮明に蘇ってきた









カンクンでの出会いからマットが滋さんと結婚し







エドからプロポーズを受け







結婚という物を意識し始めた








それまでの私は結婚という物と対極の場所にいた








充実した毎日を過ごしてはいたけれど







とにかくマットと会社を軌道に乗せる事に懸命になっていて







ただただ我武者羅に働いていた









ちょうど進が結婚してマットと滋さんが結婚した時期は







忙しかったけれど仕事も落ち着き始め少しづつ漠然とだけど







自分の将来について思い描く余裕が出てきた時期だったんだと思う










自らの将来の夢








結婚、子供と・・・いろいろ考えていると








思い浮かんでくるのは何故か道明寺の顔だった








欲しい未来が決まったら後は行動するだけ








スーッとクリアにある目の前にいつも映し出されていたのは










道明寺の姿だけだった・・






















   ←BACK/NEXT→













inserted by FC2 system