『私と結婚しない?』







って言ったんだよな・・?






なんか遠くの方で呼ばれてる気がするけどよ・・





今の状況がいまいちよく分かんねぇ・・







襲ってやろうと思って連れ込んだホテルの部屋で




俺は今、プロポーズされたんだよな・・?






ん?





プロポーズされた?




プロポーズって結婚を申し込まれたって事だよな?






プロポーズ・・



プロポーズ・・





プロポーズって男がするもんなんじゃねぇーのかよ!?








そこでハッと我に返り隣で物思いに耽っている牧野の肩を掴むと



"キャッ!"と小さく声を上げ俺の方へと視線を向けた







「ふざけんな!」





いきなり怒鳴り声を上げた俺に牧野は驚いた表情を浮かべて






「怒鳴らないでよ!嫌なら断ってくれればいいんだから、
 大きな声出さないでよ!」







「怒鳴ってなんかねぇーよ!
 い、いきなりプロポーズなんてしてんじゃねぇーよ!
 普通、プロポーズつったら男がするもんだろーが!!」







「そう?別にいいんじゃない?どっちがしても。」






「よくねぇーよ!すげぇ格好悪ぃだろ!?」





「私は気にしないけど?」






「俺はすんだよ!今まで散々、俺の事を無視してきたくせに
 ここに来て急に・・あーー!俺は何を言ってんだよ!クソッ!」







予想外の展開に混乱して何しゃべってんのか分かんなくなってきたぞ!




ガシガシと頭を掻き毟りたい衝動に駆られる俺を尻目に



牧野は余裕の表情で微笑みながら






「私はずっと待ってたのよ。メープルを辞めた時だって秘書をやってたこの二年間だって
 ずっと待ってたのにあんたは何も言ってこないし・・いい加減待ってるのに飽きちゃったのよね。
 だからプロポーズしてみたんだけど・・どうする?結婚する?しない?」







と言い放った・・・






クソッ!





答えが分かってるくせに俺に究極の選択を迫りやがる!





俺にもプライドってもんがあんだよ!







「お、お前がどうしてもって言うんだったらしてやってもいいぞ!
 その代わり別れてくれって泣いて頼んでも一生付き纏ってやるから覚悟しとけよ!」






そう答えた俺に牧野はニッコリと微笑むと







「私があんたを幸せにしてあげるから覚悟しときなさいよ!」








ビシッと鼻先に突きつけられた指先を掴み



そのまま彼女を胸元へと引き寄せ




十数年ぶりの彼女を堪能する・・


















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