俺が牧野のために用意しておいたワインを勝手に飲みながら




"よお!"と陽気に俺たちを出迎えたあきら達に一発お見舞いして





さっさと部屋から追い出してやろうと思ったのに





長い付き合いのこいつらには俺の考えている事などお見通しで







そのまま結婚祝いだと言って俺そっちのけで





三人で牧野を取り囲みパーティーを始めてしまった







くそっ!





あいつら夕べは俺と牧野の邪魔しただけじゃなくて




三人で口々に






"本当に司でいいのかよ?"



とか





"後悔したらすぐに言えよ!"





だとか・・





類に至っては







"司に飽きたら今度は僕の奥さんになってね。"




とか・・






ふざけた事ばっか言いやがって!!






俺でいいに決まってんだろ!






こいつの方からプロポーズしてきたんだぞ!!






俺が後悔なんてさせるわけねぇーだろーが!!







オイ!類!




次なんてねぇーんだよ!





さっさと諦めろ!!





こいつは未来永劫に俺だけのもんなんだよ!










結局、あきら達に散々飲まされた牧野が酔っ払い




眠ってしまった彼女をベッドへと運ぶ男だけになった





その場であきら達に聞かされた真実






牧野はもう俺のもんだと捲くし立てる俺に総二郎が言った言葉は・・





「俺たちはそれぞれあいつにプロポーズして玉砕してんだよ!
 あきらなんて抜け駆けして一番に凹まされてんだよ!
 あいつはバカみたいにずーっとお前しか見えてねぇーから心配すんな!」






お前ら・・全員プロポーズしてたのかよ・・








「なぁ、司?あいつは本当に努力して此処まで来たんだ。
 だからあいつの努力を無駄にしないでやってくれ。
 もし泣かせたりしたら俺らが黙ってねぇーからな!
 よーく覚えとけよ!」








「分かってるよ!泣かせたりしねぇーよ!
 なんかよ・・いろいろと今まで悪かったな。」







なんか分かんねぇーけど素直に俺の口をついて出た謝罪の言葉に






「おっ!司が謝ったぞ!」





「止めろよ!お前が謝ると気持ち悪いんだよ!」





「なんか司に謝られるとすっごくムカつく!」






とかよ・・





勝手な事ばっか言いやがって!!





ムカついたから一発づつお見舞いして部屋から放り出してやった








やっと静かになった室内




あいつと二人っきり





夫婦になって初めての夜



記念すべき初夜なのに・・





新妻は酔っ払って夢の中





揺すっても突いても鼻摘んでも起きる気配全くナシ!





ハァ〜零れ落ちる大きな溜息をシャワーで洗い流し




明日っからは毎日毎晩、俺だけの彼女なのだからと





無理やり自分を納得させて彼女が眠る隣へと潜り込んだ



















   ←BACK/NEXT→













inserted by FC2 system