彼女の隣に潜り込んだのはいいけれど 恋焦がれていた女が手を伸ばせば すぐに触れられる所に居て 彼女の香りに包まれて そうそう眠れるわけねぇーだろーが!! クソッ!! 幾ら俺だって・・ 寝てる女を襲うなんて・・・ ましてやそれが愛してやまない女なら尚更 悶々とする思考と暴走しそうな身体を必死で押さえ込み 眠れない時間を過ごしていた 寝返りを打ちながら最後に時計を見たのは午前3時過ぎ 酒のせいか・・ それとも有り得ない展開からの精神的な疲れか いつの間にか眠りに落ちていた 時間にして2時間弱だけど こんなにも清々しい朝はいつ以来だろう・・ 目覚めたら隣に彼女が居ないって事を除けば 完璧な朝だ 少し早いけどすっかり醒めてしまった意識が 愛おしい彼女の姿を捜し求めるけれど やっぱり室内に彼女の姿は見つからない だけどその代わりテーブルの上に見つけた彼女からのメッセージ " 司へ 一旦、着替えに戻ります。 つくし " 用件以外なにも書かれていない素っ気無いメッセージだけど 頬が緩むのが止められない "司へ・・" 初めて呼ばれた名前 今までは支社長かあんたのどちらかだった俺の呼び方が 名前に変わった・・ ヤベ・・すっげぇ嬉しい! メッセージカードを目の高さまで掲げると カーテンの隙間から差し込んできた朝日に反射して 裏にも何か書かれているのが透けて見えた 裏返してみるとそこに書かれていたのは 見慣れた彼女の文字で "新婚旅行はハワイでお願いね。" と書かれていた 今どきハワイかよ・・・ 相変わらず貧乏くせぇ女だな! 道明寺司様の新婚旅行なんだぞ! 世界一周ぐらい言えよな! ←BACK/NEXT→ |