その日から3日後、あきら達は再び司の家に集合していた







「やっほ〜 あきら君!ニッシーと類君の事分かった?」






「ああ。」







「で、どうだったの?」







「二人共カンクンのリッツに泊まってるらしい。」







「やっぱりあの二人一緒なんだよね!?
 ずる〜い、二人だけでバカンスに行くなんて〜」







どこまでも一人で暴走する滋に呆れたように桜子が口を開く







「滋さん、本当に行く気ですか?考えてみてくださいよ!
 花沢さんと西門さんが二人っきりでカンクンなんて
 リゾート地に行くわけないんですから、きっと他にも連れの人がいるはずです。
 私達が押しかけたら迷惑じゃないですか。」






「そうだぜ、滋!桜子の言うとおりだ。
 あいつらが二人っきりでカンクンなんて行くわけないんだから。
 ぜってー連れがいるぞ!」







「いいじゃん そんなの。
 ニッシーや類君の大切な人なら私達にとっても大切な人でしょ?」







ハァ〜・・もうなに言っても通じない・・








「滋さんって、呆れるほど前向きな考え方しますよね。」








「いいから。ねぇ 司、カンクンに行くから手配してよ!」







「この時期に今から行ってもホテルなんてどこも満室だぞ!」







「だから司に頼んでるんじゃナイ!司なら何とかなるでしょ?」







「そりゃぁ 大丈夫だけど・・・」








「いいからヨロシクね!」






「ところで滋さん、いつ出発するつもりですか?」







「う〜ん、本当は今すぐって言いたいところだけど・・」







「お、おい・・滋!今・・すぐって・・」







「分かってるよ!だから明日、出発って・・事でどう?」






どう・・って?





聞いたのか、今・・?





一応、俺の意見も聞いてくれてるんだよな・・?





だったら俺はメキシコなんて行きたくない・・!






なのに・・俺の口から出た言葉・・






「分かったよ・・・」





ハァ〜 俺は明日っからこいつらと


メキシコに行くんだな・・いいのか?



本当に・・・







あきらがため息をついている目の前で滋は明日っからの事を

桜子相手にハイテンションでしゃべり続けている・・・






司は静かに飲んでいるだけだ・・







俺はここ数日ずっと考えている事がある、

それは類と総二郎と言う組み合わせがやっぱり気になる






そりゃF4なんだしガキの頃からの付き合いだから

一緒に旅行に行くのはおかしくはない、だが類と総二郎の二人

だけで行くなんて俺には何故か考えられなかった





どうしてもこの組み合わせが気になってしまう





それにこの前、総二郎と飲みに行った時、

あいつ類とメキシコに行くなんて一言も言ってなかった






何があるんだ・・?





確かに滋の言うとおり行ってみれば分かるのかもしれないけど

本当に行って大丈夫なのか?






滋も司も大して気にしていない様子だけど・・・






司がメキシコ行きの手配をすると言ってリビングを

出て行った司を目で追っていると桜子と目が合った






桜子の顔も何か言いたそうな表情をしていたが

心の溜息を言葉にする事はなかった・・






翌日、俺は今本当にメキシコに向うために司んちのジェットに乗っている







目的地はカンクン国際空港







さすがに道明寺家、このバカンスシーズンにリッツに部屋をとってしまった







カンクンに到着したのはお昼頃だった




さっそくホテルにチェックインしてそれぞれが部屋へと入った・・

といっても滋と桜子、俺と司が同室だった、

さすが道明寺と思ったが部屋を取ることは出来たが、スウィート2部屋が限界だった




いくら司でも空いていないものはどうしようもない・・・






荷物だけを置いて滋と桜子は俺たちの部屋へと集まっている





「滋?ここまで来たのはいいけど、これからどうするんだ?」






「う〜ん、どうしよう〜?
 ねぇ ニッシー達の部屋って分かってる?」





「いいや、フロントで聞いたけど泊まってる事は教えてくれたけど
 部屋まではムリだった」




「じゃぁ 携帯に電話してみたら?
 二人共海外で使えるやつ持ってるんでしょ?」





「ああ・・けど電源がずっと切られてるみたいで全然繋がらない。」





「え〜 じゃぁ 後はホテル中を自分達で探すしかないの〜?」





「そうだな・・」




ある意味、八方塞の状況で口を開いたのは桜子だった





「美作さん?
 道明寺さんの名前を出してもお二人の部屋の番号を教えてもらえなかったんですよね?」





「ああ・・」




・・何が言いたいんだ?




「二人は一体誰と一緒にいるんでしょうかね〜?」





「あん・・・どういう事だ?」





「だってホテルだって建前上は、宿泊客のプライバシーを守るって事で
 迂闊に部屋の番号を教えたりしないでしょうけど、
 道明寺さんの名前を出したら大抵の事はOKだと思うんですけど・・・
 それでも教えて貰えないってお二人は一体、
 どんな方と一緒にいるんでしょうかね?」







「桜子・・それって総二郎達が一緒にいるのが司ん家以上だって言いたいのか?」





「そうですね。でも今の私の話はあくまでも仮定の話ですから。」




桜子の考えは当たっていた・・

類と総二郎が一緒にいる人物・・・

つくしは今やアメリカを代表する企業の令嬢である




普段NYではつくしの存在を公にしていない為

SPなしで比較的自由に過ごしているが、

いくら治安は良いと言ってもメキシコでそれも

不特定多数の人間が出入りする場所で危険がないわけではない





今回、カンクンではつくしに三人のSPが常に行動を共にしていた




当然、宿泊している部屋の番号も絶対に外部には漏れないようなっている





つくしと同室の類と総二郎の部屋の番号も誰が聞いても教えてはもらえない





司達がカンクンに到着した日





つくし、総二郎、類の三人は朝早くから観光に出かけていた










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