翌朝は夕べ夜中に戻ってきたらしい総二郎と一緒に朝食を採っていた





彼は眠そうな目をこすりながらコーヒーを飲んでいる




類はもちろんまだベッドの中・・・・




「お前、今日はちゃんとエステに行ってこいよ!」





どうも、最近の総二郎は説教クサイ!


ような気がする・・






「分かってるわよ!10時に予約したからお昼には終わると思う。」







「じゃぁ 昼めし一緒に食うか?」






「うん。で、その後は買い物に付き合ってよ!
 約束だからね!」






「・・分かってるよ。
 俺はプールサイドに居るから終わったら電話してこいよ。」






「了解!」




つくしがエステに行った後、入れ替わるようにマットが部屋に入って来た





「よお!総二郎。」




「おう!早いな?どうしたんだ?」




「ああ、ケイトは?」




「エステに行ってる。」




「そうか・・・」




目の前に座った奴は俺の顔を見ながら何やら考え込んでいる・・





「総二郎、時間あるか?」





「なんだ?お前、こんな朝っぱらからやんのかよ?」





「ちげーよ!エドだよ。今日エドがくるから空港まで迎えに行かなきゃいけねぇんだよ!
 ったくめんどくせぇーの!SPついてんだから一人で来いってんだよ!」





「で?」






「だから、付き合えよ。」






「ヤダね!お前、一人で行ってこいよ!」






「だからヤなんだよ!
 俺、あいつ苦手なんだよ!」






「お前の兄貴だろうが?」






「だから余計嫌なんだよ!あいつの全てお見通しです、
 みたいな余裕かました顔みてたら胸がムカムカしてくんだよ!」






「だからって何で俺が一緒に行かなきゃいけねぇーんだよ?!」




「だって、ケイトいねぇんだろ?」
「本当はあいつに迎えに行かせようと思ってたんだよ。
 その方がエドもうれしいだろうからな!」





「そう言う事か・・・」





エド・ペリー・・・マットの3つ上の兄貴でペリー財閥の次期総裁



性格はマットとは正反対で本当に兄弟なのかと思うほどだ




穏やかでやさしく人あたりも良いし
やわらかな笑顔で声を荒げる事も無い





ハーバードの大学院を主席で卒業した秀才で人望も厚い


何からなにまで対照的な兄弟だ・・



そして、この男もつくしに惚れている・・・



だからわざわざこの時期に一人でカンクンまでやってくる





もちろん進の結婚式に招待されているからだけど、
恐らく本当の目的はつくしだろう・・






当のつくしは全くエドの気持ちには気付いていない・・





相変わらずの鈍感ぶりを発揮している・・





周りにいる奴は全員、気付いているのに・・・





つくしはエドの事を単にマットのお兄さんで
いい人、ぐらいにしか思っていない・・




「ハァ〜・・・分かったよ!行ってやるよ!」






「Thanks!」




と言うわけで俺のプールサイドでのんびり計画は
あっさりとくずれマットと一緒にエドを迎えに行く事になってしまった





つくしのBMWで俺が運転している



どうして俺が運転しなきゃいけないんだ?



どうも最近、俺はつくしとマットに
いいように振り回されている気がする・・




当のマットは助手席に座りカーステレオから流れてくる
能天気なリズムに合わせて鼻唄なんか唄ってやがる!






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