仲間達への婚約爆弾発表から1ヶ月






マットと滋さんの婚約が正式に発表され






それと同時にペリー財閥と大河原グループの提携も発表され





経済界は大変な騒ぎとなり






双方の株価を一気に押し上げている





出会いから婚約まで3ヶ月、そして半年後には挙式





花嫁である滋さんは本来ならば式の準備で大忙しのはずなのに





ずっとNYに居て私の秘書を続けている






仕事を始めてまだ1ヶ月だけれどさすが滋さん





すっかり仕事にも慣れてある程度任せても大丈夫になってきているし




何より他のスタッフ達とも打ち解けて社内には



朝から滋さんの元気な声が響いている





私は相変わらずの毎日・・




いや・・



なんとしても8月に1ヶ月の休みを取りたいマットのとばっちりを受け




普段よりも忙しい毎日を過ごしている





そんな中、マットの婚約が正式に発表された事で



大学時代の友人達が集まってパーティーが開かれる事になった



いつの間にか幹事を任されてしまった私・・・





忙しいのに・・





誰か代わってよーー!!と友人達に電話を掛けまくったんだけど





みんな何だかんだと理由をつけて断られてしまい






仕事の合間を縫って友人達に連絡を取り何とか



みんなが集まれる日にちを決めたんだけど




お店を探し出すだけの気力は残っていなかった





それに忙しくても幹事をやる以上は



大好きな滋さんと大切な友人であるマットの為に




出来る限りの事をやりたかった





結局、考えあぐねた末にお店を貸しきるのではなく私の部屋で




ワイワイやる方がいいと思いライズ家からお手伝いさんを呼んで






パーティーの準備をした






出席者は主に大学時代の友人で私とマットの共通の友人




共通って言っても大学に居れば取っている講義は同じだし




お昼も一緒だったマットとは必然的に集まってくるメンバーも決まっていて




その中には頻繁にNYへ来ていた総二郎も含まれていた





そして1ヶ月前、滋さんに呼び出されてNYに来て以来ずっとこっちに居る桜子





桜子はこっちで何をしてるかって言うと





お料理教室に通ったりマナー教室に通ったりと何故かNYで花嫁修業中




それから忙しいのに・・



呼んでないのに・・・




再び無理やりスケジュールを調整して来ちゃった花沢類と美作さん





そしてもちろん道明寺も・・





結局、メンバーが再び勢ぞろいでそこに大学時代の友人達で結構な人数




私の部屋のリビングが大変な事になっている





友人達の輪の中でみんなに祝福されて満面の笑顔でこたえている滋さんと




少し照れているマット




パーティーも続々と友人達が到着しガヤガヤとした雰囲気の中




何故か桜子が私から離れない・・




「先輩!この中で独身で彼女の居ない人って誰ですか?」





「独身かどうかは分かるけど・・恋人までは分かんないわよ。」





どうして桜子がそんな事を聞くのか不思議に思い




聞き返そうとした時、同じように桜子の今の発言を




聞いていた美作さんが先に言葉を発した






「桜子、そんな事聞いてどうすんだ?
 お前、男を探すために来てんのか?」





「そうですよ。滋さんはさっさと先輩のお友達をゲットしちゃったんですよ!
 だから私も滋さんを見習ってこっちに住むんです!」





「桜子・・それより日本で友達作れ!その方が早い!」






「失礼な事言わないでください、美作さん!
 私にはちゃんと先輩と滋さん以外のお友達は居るんですから!」





「ほぉ〜聞いた事ねぇけどな?」





「居るんですよ!もう!そんな事どうでもいいですから、
 先輩!誰か紹介してくださいよ!」





「いいけど・・紹介するだけにしてよ?」





「分かってますよ。後は自分でやりますから。」





「で、誰がいいの?」





「先輩がやってない人でちゃんと働いてる人なら誰でもいいですよ。」





『ブッーーー!』





桜子のその言葉に美作さんがワインを吹き出した




「ああああんた、なに言ってんのよー!?」




慌てる私に冷静な顔で桜子は・・






「先輩、嘘はつかないでちゃんと教えといてくださいね!
 後で聞くのって気分悪いですから。」




「そ、そんな事・・言えるわけないでしょ!!
 それに・・それってそんなに重要な事なの?
 好きになっちゃったら関係ないでしょ?」






「そうですけど、心構えも問題ですよ。
 先輩だって今さら慌てる事でもないでしょ?」






「そ、そうかもしれないけど・・・
 だからってなんで言わなきゃいけないのよ!
 ヤダからね!!」





抵抗する私に桜子は呆れた顔をしているけど・・




嫌なものはヤダ!!



口をつぐんでしまった私の後ろからマットの声が聞こえてきた






「桜子!俺が教えてやるよ!」





その言葉に慌てて振り向くとニヤニヤしたマットの顔・・





ヤバイ!




マットがこの顔してる時は大抵ロクな事がないの!!






「ちょ、ちょっと口挟むんじゃないわよ!
 あんたには関係ないでしょ!!」






「いや!大いに関係ある!俺も桜子には幸せになってもらいたいんだ。
 桜子の幸せに俺が役立つんだったら喜んで手伝うぜ!」





もっともらしい事を親切そうな顔して・・




結局は私に嫌がらせしてるだけでしょ!!





桜子にしたって何でそんな事にこだわるのよ!!





いい加減、大人なんだからいいでしょ!?



ほっといてよーー!!





「いい加減にしてよ!マットはあっちへ行ってて!!
 桜子!くだらない事ばっかり言ってたら紹介しないわよ!」





「いいですよ。マットさんに紹介してもらいますから。」





「おー!俺に任せとけ!!」





「二人共、いい加減にして!」






「なにでかい声出してんだ?」





総二郎の声がして振り向くとそこには総二郎と類・・




それに道明寺まで・・



もう!最悪!!






「なんでもないわよ!」





「なんでもねぇーのに大声出してんのか?」





「地声よ!五月蝿いわね!」





総二郎に言い返しながらもマットと桜子を睨みつけると二人とも笑ってる・・




ムカつく・・




まだ文句を言いたいところなんだけど


メイドさんが電話だと伝えにきたので渋々その場から離れた







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