エドからプロポーズされて2ヶ月・・・





この2ヶ月、マットと滋さんには何としても予定通りハネムーンに行ってもらうために





本当に仕事しかしていなかった






自分の仕事を片付けながらマットのサポートをする





毎日、朝8時から早い時で日付が変わる直前まで仕事をし






部屋に帰り着いても翌日の仕事の準備をしてからベッドに倒れこむ・・






そんな繰り返しだったからプロポーズの返事の事は全く考えていなかったし






待つと言ってくれたエドからもその言葉通り急かされる事も無かった










いよいよマットと滋さんの結婚式が執り行われる







だけど流石ペリー財閥と大河原グループ・・・






派手だわ・・・






もう笑っちゃうくらい何もかもが派手で思わず横に居た総二郎の腕を掴み






"凄すぎてダメ!地面に足が付いてない感じでフワフワしちゃってて上手く歩けない"





と伝えると大笑いされた・・・






でもねいつもTVや新聞で見るような人たちばっかりなんだもん!!






そんなんだからなんだか夢心地のままで挙式・披露宴が終わり







その3日後に日本で行われる披露宴に出席するために翌日には機上の人となった







本当はもう一日ぐらいゆっくりしてても良かったんだけど






日本に帰るのも1年ぶりだからパパとママのお墓参りにも行きたかった






パパとママの事故後、葬儀の手配からお墓の事まで全て総二郎が手伝ってくれていて





パパとママは今、西門家が檀家を勤める都内のお寺に眠っている






日本に到着し迎えに来ていた車でそのままお寺にお参りして夜、ホテルでやっと一息つく




1年ぶりに見る東京の夜景






たった1年だから大した変化など無いはずなんだけど







この1年で私の周りで起こった変化が大きくて何年にも感じてしまう






部屋の明かりを消してベッドの中から見える東京の夜景に包まれながら今夜は眠りにつこう














ピンポーンピンポーンと朝から慌しいチャイムの音で目が覚めた





サイドボードに置いてあった携帯で時間を確認するとまだ朝の6時






誰よこんな朝早くから!?





どんな用件か知らないけど私の睡眠の邪魔する奴に一言文句言ってやる!






と思いベッドから這い出てローブを羽織ると覗き穴で来訪者を確認してみると






朝っぱらからメイクバッチリの桜子が立っていた・・






ロックを外しドアノブに手を掛けた瞬間、外から勢い良くドアを押され




避けきれず顔がドアに激突・・





あまりの痛さにその場に蹲る私の横から桜子が部屋へと入って来た







「先輩!遅いですよ!」






・・・だって・・






なんなのよ〜〜!!







顔打ったの分かってんでしょ?!






まず大丈夫ですか?とかいたわりの言葉無いわけ?







「なんなのよ!?こんな朝早くから!」






「何言ってるんですか?もう6時ですよ!
 今日はいろいろと忙しいんですからさっさとシャワーを浴びて出かける準備してきて下さい!
 私はその間に朝食の準備をしておきますから。」







「忙しいって・・披露宴は明日でしょ?」






「日本での予定は披露宴だけじゃありません!
 ほら!さっさと仕度して来て下さい。」






勝手に私の予定を入れないで・・



こっちは時差ぼけ気味だし





何よりずーっと忙しかったからのんびりしたいのよ〜〜!!






・・って言ったってどうせ聞いてくれないだろうから





ベッドは諦めてシャワーを浴びてメイクを済ませたんだけど・・






今日は何処に行って何をするのか聞いてないから何を着ればいいのか分からない





桜子に聞くと"Tシャツとジーンズ以外ならいいですよ。"だって・・





Tシャツとジーンズをバカにしないでよね!



一番動きやすくてラクでいいんだから・・・





なんて思いながら私が取り出したのはNYで買ったお気に入りのワンピース





原色使いでサイケデリックな模様なんだけどケバさはなくて何より安かったのよね・・






着替えを終えてリビングへ出て行くと桜子が







「先輩、そのワンピース何処で買ったんですか?」







「NYだけど。」







「NYのどこのブランドのお洋服ですか?」




「どこのブランドでもないわよ・・sohoの露店で買ったんだもん」






「露店?・・先輩、そんなところでお洋服買ってるんですか?」







「ダメ?この露店してる女の子は服飾デザインの学校に通ってる学生さんで
 彼女が自分でデザインした物を売ってるからどれも一点物だし安いんだもん。」







「そのお洋服はとっても素敵ですけど・・
 やっぱり先輩の基準は安さなんですね・・」






「いいでしょ!?ほっといてよ!
 それよりお腹すいた!!」





「朝食の準備は出来てますから食べちゃいましょう。」






確かにテーブルには朝食の準備は出来てるんだけど・・





並べられてるのはパンにサラダにオムレツにオレンジジュース・・・






「和食がよかったのに・・」






「私は毎朝、パンにコーヒーなんです。」





さようですか・・・






全部が桜子のペースで一日が過ぎてゆく・・・





まず連れて行かれたのが美容室、髪をカットされて




昼食を挟んで全身エステ、その後はネイルサロン・・・





他人に触られまくりの一日を過ごし






これで最後ですからと連れて来られた止めは・・・・








道明寺邸だった・・・

















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