変な道明寺・・?




・・ってあいつが変なのは今に始まった事じゃないか・・?






なんて考えてたんだけどエントランスに


タマさんの姿を見つけて私の思考の中から



彼のさっきの言葉はあっさりと消えてしまった





タマさんに見送られて道明寺邸と後にする




私は車が門を出てすぐにバッグの中から携帯を取り出し桜子を呼び出した



3コールで電話口に出た桜子はのんびりとした声で





『あら先輩?こんな早くからどうしたんですか?』




だって・・・





もう頭にきすぎちゃって怒鳴ってやろうと思ってた文句が


ぜ〜んぶ飛んじゃったじゃない!




だから



"1時間後に私の部屋に集合ね!"



とだけ一方的に伝えて電話を切った






それから1時間と数分後に少しだけ慌てた桜子が到着したんだけど・・




部屋に入ってくるなり私に怒ってるけど・・・





怒ってるのは私だって同じなのよね!





「先輩!いきなり電話してきて1時間で来いなんて我が儘すぎますよ!」





「あんたに我が儘だなんて言われたくないわよ!
 それより夕べはよくも私一人を置いて帰ってくれたわよね?!」





「それは先輩が酔い潰れたりするからじゃないですか?!
 私に文句言う前に酔い潰れたりしないでくださいね!
 それより私、朝食がまだなのでルームサービス頼みますけど先輩はどうします?」






逆に文句言われて・・




さっさと話しを変えられて・・・



もう!






「私は食べて来たからいいわよ!」





「それじゃあコーヒーだけ頼んでおきますね。」





なんてさっさと受話器を手にしちゃってる桜子を睨むんだけど



全く気にしてる様子なし・・





「ところで先輩?」




「な、なによ・・?」





「朝食を食べて来たって・・道明寺さんちで食べて来たんですよね?」




「そ、そうだけど・・なによ?」





「お一人でですか?」





そ、そんな睨まないでよ・・・




「ち、違うわよ・・」





なによ・・・?




なんでそんなジトーっとした目で見んのよ・・?






「どなたとご一緒したんですか?」





「誰って・・誰だっていいでしょ?!」






別に道明寺と食べたって話したって問題ないと思うんだけど



なんだか責められてるような気がして




この会話を早く終わらせたくてついつい早口で強い口調になってしまう・・





「道明寺さんですね?」






そんな顔近づけてこないでよ!




だったら何だって言うのよ・・?!






「た、確かに・・朝ご飯一緒に食べたのは道明寺だけど・・それがどうしたのよ?」






「いいえ、別にどうもしませんけど、どうでしたか?
 久しぶりに道明寺さんと話しをして?」






「どうって・・別に大した話ししてないし・・まぁ、普通に話したのって8年ぶりぐらいでしょ・・?
 実は何の話しをしたのかよく覚えてないのよ!?」





「そうですか。」




「何よ?」



「いいえ、でも良かったですね。
 道明寺さんとちゃんとお話しが出来て。」



「う、うん・・そーだね・・そーなのかな・・?」





「そうなんですよ。」




そう言ってニッコリと笑った桜子は本当に可愛いと思った





8割ぐらい意地悪なんだけど


あとの2割だってグサリとくる事が多いんだけど




彼女はやっぱり憎めなくって大好きで大切な親友










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