時間が経つのは早い




東京に戻って２ヶ月が過ぎた・・





親父から辞令を受け取って２週間





ちょうど大きな仕事がひと段落したばかりだったので



それほど仕事も立て込んでなくて引継ぎもスムーズに済み日本に戻った






日本に戻りさっそく支社長に就任し引継ぎや挨拶周りなど





休日もない日々を過ごしている







屋敷とオフィスを往復するだけの毎日で







あいつらにも会っていなかった・・








そんな日々を過ごす中でNYにいるババァから電話が掛かってきた







用件は明日午後３時に成田にメープルホテルジャパンの




新しい取締役が到着するから出迎えろとの指示だった・・






ふざけんな！






このクソ忙しい時にそんなヒマがあるか！！






それにメープルの代表って言えば俺の部下ってことだろーが！






何で上司が部下の出迎えに行かなきゃいけねぇーんだよ！！






数々の俺の抗議もあっさりと無視してババァは





“これは命令です。”の一言を残し電話を切ってしまった・・







そもそも日本のメープルに新しい代表が決まったなんて聞いてねぇーぞ！







日本のメープルの代表は数年前から空席のままでババァが兼任していたはず・・







誰だよ？





新しい代表って・・







ババァの命と言っても過言じゃない日本のメープルを任せるほどの人間って・・






まぁ、それも明日になれば分かることだ




今は急に変更になった明日の予定のしわ寄せをなんとかしなければならない・・









結局、夕べは徹夜だった・・






思いっきり不機嫌なままで午前中一杯を過ごし






そのままの状態で部下を出迎えるために成田空港へと向かう




俺様に徹夜までさせた奴の顔を一目拝んでやる！！





そう意気込んでターミナルビルに一歩足を踏み入れると




そこには何処から噂を聞きつけたのか既に大勢の報道陣が詰め掛けていた




奴等は俺の姿を見つけるとすかさず近づきマイクを向けてきやがる！！



SPに周りをガードさせ報道陣の間を通り抜けると目の前には見慣れた姿の男が三人・・・






類にあきらに総二郎・・・





総二郎が俺に気付き軽く手を挙げた





「よお！司！」





「・・お、おう！おめぇらここで何してんだ？」






「お前こそどうしたんだよ？忙しいんじゃなかったのか？
　それにあんなもん大勢連れてきやがって！」





俺の後ろ・・ＳＰにガードされている向こうには沢山の報道陣の姿が・・






「俺はメープルの新しい取締役っう奴を迎えに来ただけだ！
　あいつらは俺が連れて来たわけじゃねぇー！ったく俺様だって
　昨日ババァから掛かってきた電話で知ったんだぞ！
　それなのに、どっから情報が漏れてんだよ？！」






「ふ〜ん、司はメープルの新しい取締役が誰だかまだ知らないんだ？」







類が薄い笑みを浮かべながら俺を見ている・・





その何処か人を小バカにしたような表情と口調がムカつく！！






「何なんだよ！知らねぇーよ！
　それよりお前らは何でここにいんだよ！！」






「俺らも出迎えだよ。」







「誰をだ？」






そう聞くとあきらがチラッと時計を確認してから




頭上に掲げられている到着表示板を見上げた







「もう、出てくるだろーから、くれば分かる。」







くれば分かるって・・






俺が知ってる奴なのかよ？










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