まずはロンドン・・・




懐かしい空気に触れてフランスへと海を渡った





その後はイタリアからギリシャへを経由して



インドから東南アジアへ




そして中国へと入り上海から東京へ




合計2ヶ月と3日の旅





その間、日本では私が帰国すると連絡を受けたF3が忙しい合間を縫って




帰国準備を始めてくれていた






まずは住む所としてメープルから程近いマンションを美作さんが選んでくれたんだけど



超が3つぐらい付く高級マンションで5階建ての最上階のワンフロアーが1室になっている




明らかに独り暮らしの私には無駄なスペースだらけの部屋で



内装は桜子が全て引き受けてくれた



甘すぎず落ち着いた暖かみのある部屋に仕上がっている



後で知ったことなのだけど




美作さんと桜子が私の部屋の内装について相談しているのを


美作さんのお母様が聞きつけ




危うく寝室の壁紙がピンクのくまさんになるところだったのを



美作さんが何とか阻止してくれていた





帰国してのんびりなんてしている時間なんて無くて


すぐに来月の就任に向けての下準備が始まった




私の秘書としてまず西田がNYから到着し



もう二人、NYから




一人は今までずっと私の秘書をしてくれていたJ・コールマン


彼は弁護士資格も持っていて有能だ



もう一人は有能で私が尊敬する女性



お父様の秘書だったドナ




彼女にも日本に来てもらっている






そして桜子にも声を掛けた




仕事をしない?と言った私に彼女は





「いいですよ。先輩と仕事をするなんて楽しそうですから」



と二つ返事で引き受けてくれた








私がどうして西田を自分の秘書にしたのか・・・?




彼は長年に亘り楓社長の元で秘書を務め



いい意味でも悪い意味でもメープルの全てを知っている人物だから



日本のメープルには現在14名の重役がいる



その8割が古参の役員で



一番若い人でも42歳




私は今年で27歳





ほとんどの重役が50代で



みな私の父親の年代





彼らにしてみれば昨日今日、大学を出たばかりのような小娘が



上司になっていい迷惑だろう・・・




メープルは楓社長のワンマン経営なのであの人の力は絶大だ




だからと言って楓社長の選んだ私に彼らが付き従うなんて事は考えられない





あの中に入ってしまえばきっと外の敵より


内なる敵の方がやっかいだろうから



なんとしても西田が必要だった







そしてずっと私の秘書だったコールマンとお父様の秘書だったドナ




この二人は私の事をよく知っている



私も彼らの事はよく分かっている




短い時間で結果を出さなければならない状況で




新しい秘書と一から人間関係を築き上げている時間はない





これからの事を考えると武者震いがするけど自分で決めたこと



だけど当たって砕けている暇は無いから




まず自分の足元を固めた





そして早速、明日っから行動を開始する















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