パーティのパートナーに名乗りを上げようとしたら




今日のために帰国していた姉ちゃんにあっさりと・・・





「あんたバカじゃないの?
 つくしちゃんのパートナーだったらとっくの昔に決まってるわよ!」





「だ、誰だよ!?総二郎か?類か?あきらか?」





「違うわよ!ペリー財閥のエドよ!」





「な、なんであの野郎がわざわざ日本のメープルのパーティに出席すんだよ!?」





「あんたつくしちゃんがメープルの取締役って言う前に
 ライズ家のお嬢様だって事忘れてない?」






「わ、忘れてねぇーけど・・牧野はあいつとの縁談断ったんだろ?!」






「確かに縁組は断ったみたいだけど今度、ペリー財閥とメープルが業務提携する事になったのよ。
 あんたも道明寺の次期総裁だって言うんだったらそれぐらい把握しておきなさい!」





ちょ、ちょっと待て!



ペリー財閥とメープルが業務提携?



そんな話し聞いてねぇーぞ!




なんで道明寺のグループ会社でしかないメープルが



母体である道明寺を通り越してメープルと業務提携すんだよ!?





道明寺とペリー財閥との間では数年前より


業務提携話しが幾度と無く持ち上がっていたし





現に何度か交渉のテーブルに付いた事もあったが



ペリー財閥と道明寺の間には競合する事業も多く



提携内容に折り合いが付かないまま凍結状態だった・・




なのに・・





「ちょっと、司!?お姉さまの話し聞いてるの?!」






「あ・・ああ、聞いてるよ!
 親父もお袋もなんでそんな重要な事、俺様に黙ってんだよ!?」





「ハァ〜・・あんた遅いわよ・・
 つくしちゃんのパートナーの事だって一番に言ってくると思ってたのに
 何も言ってこないし業務提携の話しだって知らないみたいだって
 お父様もお母様も呆れてらしたわよ!もっとしっかりしなさい!」






姉ちゃんの本当に呆れたような声が頭の中で木霊している・・




そもそも牧野はなんでメープルの取締役なんて仕事を引き受けたんだ?





「姉ちゃん?牧野がメープルの仕事を引き受けたのって
 何時から知ってたんだよ?!」





「あんた・・本当に今頃なに言ってるの?」





「何時から知ってたんだって聞いてんだよ!?
 俺はあいつを迎えに行った空港で初めて知ったんだぞ!」




「だから遅いって呆れられるのよ!
 今のあなたには重要な情報が一切集まってきてないでしょ?!
 つくしちゃんのパートナーになりたかったら少しは
 自分の周りにいる人間を見直したほうがいいんじゃないの?!」




確かに姉ちゃんの言うとおりかもしんねぇな・・・




その後も呆れた声でウダウダと続く姉ちゃんの説教を聞き流しながら




なんとか姉ちゃんから聞き出した牧野がメープルの仕事を引き受けた経緯



偶然なのかそれとも俺様の野生の勘が成せる業なのか




とにかく二人が選んだのが日本




親父や姉ちゃんの誘いを断ってあいつが選んだのは日本のメープル




俺にはこれが運命に思えた




最後に姉ちゃんが言った言葉






"もしまだつくしちゃんの事を諦めてないんだったら
 今度こそ逃がさないように頑張りなさいよ!
 ライバルはあんたが考えてる以上に多いんだから!"





タキシードに袖を通しながら気合を入れなおす






今度こそぜってぇー捕まえてやる!!








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