NYでマットとのパートナーを解消して
その後の人生に明確なビジョンが見えていたわけじゃない
まだぼんやりと霞の掛かったような状態の私の元へ
舞い込んできたメープルへの就職話し
大学を出てすぐに始めたマットとのビジネスはたった4年弱だったけど
自分に何が出来るのだろうか探していた私に
やれば出来るんだと大きな自信を与えてくれた
人間と言うのは現金なもので時には自信が大きな後ろ盾となって
視界不良でも大きな一歩を踏み出す事が出来る
あの3日で考えた事は・・
これが終着点ではなく中継点だという事
メープルを選んだのも勤務が日本だからというだけではなく
道明寺楓という女性に認められたかったから
メープルで仕事をするようになって考えた事は・・
どうして私はこんなにも道明寺楓という女性に
こだわっているのだろう?という事
私はあの人になりたいわけじゃない
尊敬はしているけど憧れてはいない
だけど少しでも近付きたいと思っている
どうして私は彼女に近づきたいのだろうか・・?
三年間、メープルで仕事をしていくうちに少しづつ見えてきた物
私には本当に行きたい場所がある
そこにたどり着くための中継点がメープルだったんだと思った
だから三年の契約期間が終了すると同時に私はNYへ戻ってきた
今はここで待っている
本当に欲しい未来が向こうからやってくるのを待っている
だけど・・来ない・・
ず〜っと待ってるのに!
欲しい未来が向こうからやって来ない!!
NYへ戻って早2ヶ月
久しぶりの長期休暇なのにずっとライズ家のお屋敷に
留まっているのにも関わらず向こうからやって来ない!
来ないんならこっちから行ってやる!!
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