【120】 【121】 【122】 【123】









【120】


ノックの音で閉じていた目を開けた


ドアを開けて入って来たのは道明寺さん


彼は雨の中を走ってきたのだろうか・・・?



頬には少し赤味がさしていて普段はクルクルに巻いている髪がストレートになっている


彼の濡れた髪の先から滴り落ちた一粒の水滴が床まで辿り着いて波紋を広げた瞬間・・




思い出してしまった・・・




雨が嫌いな理由を・・・



一度目は自分に嘘をついた夜・・



二度目は自分を嫌いになった夜・・・



もの凄い勢いで蘇ってくる感情に呑み込まれそうになる・・



そんな中でもはっきりと見つけた彼の姿・・


怒った顔、笑っている顔、照れて赤くなっている顔・・



スライドショーを見ているようにいろんな表情の彼が浮かんでくる



そしてあの夜の事も・・



道明寺のお屋敷にお見舞いに出向いた時に見た彼と海ちゃんの楽しそうな
雰囲気に私は心を決めた



雛がいるって事が分かって嬉しかった
彼を愛して、彼に愛された証が自分の中に確かに残っていた事が嬉しくて
この証をしっかりと守って生きていこうと思っていた




進むことも戻ることも出来なかった私の背中を押してくれたの雛だった



非常階段で会う花沢類が心配してくれているのは分かっていたけど、
妊娠している事は誰にも知られちゃいけないって思っていた・・



だから誰にも何も言わずに学校を辞めて引っ越すつもりでいた



卒業出来なかったのは残念だったけど子供と共に一生懸命生きて行こうと決めていたのに・・




あの日の夜・・・バイトを終えて店を出たところで海ちゃんが待っていた



道明寺の事は諦めたつもりだったのに・・・

涙が溢れてきて・・




何も望んではいなかったはずなのに・・・

涙が止まらなくて・・・




いつの間にか降り出していた雨に全て忘れてしまいたいと願ってしまった・・


あの夜、牧野つくしの最後の記憶は・・花沢類



私が最後に呼んだのは花沢類だった・・



実際にあの夜、私を見つけてくれたのはあきら


全てを忘れてしまった私と雛を自分の全てを犠牲にして守ってくれたのは彼・・


あの時、牧野つくしはもう二度と道明寺と会わないって決めていた・・




これが私の決断・・?


従うべきなのだろうか・・・・?




6年以上も前の感情を優先させるのは間違っている事なのだろうか・・?




だけど・・・止まったままだった牧野つくしの時間が今、やっと動き出したばかり
あの頃の想いが鮮明に蘇り私を支配する・・













【121】






しばらく俺の胸で泣いていた彼女だったがやがて少し落ち着いてきたのか顔を上げた


真っ赤になった瞳を涙で濡らしながら俺を見上げている・・


「ごめんね・・」



「ああ、謝らなくていいから、思い出してくれてありがとう。」


まだ涙声の櫻が話し始めたタイミングで胸ポケットに入れたままの携帯が振動を始めた

着信相手は秘書

電話に出る事なく切ると再び彼女と向き合う・・

「電話、いいの?
 仕事でしょ?」



「ああ、構わない。
 今は仕事よりお前の方が大切だから。」



「でも・・お仕事は大切でしょ?
 私なら大丈夫だから・・仕事に行って。」



「だけど、お前、思い出したんだろ?」


「うん・・思い出した・・あんたの事もあの夜の事も・・
 だからしばらく一人になりたいの・・ちゃんと思い出した事全部あんたにも話すから
 今は一人にして欲しいの・・考えたいの・・」



「ダメだ!お前を一人になんて出来ない!」



「私なら大丈夫だから・・お願い、少し一人になりたいの・・」


まだ濡れたままの瞳を真っ直ぐに向けられてこれ以上の言葉を繋げなかった・・・




「・・・分かった、仕事に行ってくる・・けど、夜にはもう一度来るからな?
 それでいいな?」





「・・・うん、ありがと・・・」



俺は後ろ髪を引かれる思いで一旦、彼女の病室を後にした・・・












道明寺が仕事に戻ってから病室で一人身じろぎもせずにずーっと考え続けていた・・




どのぐらいの時間そうしていたのだろうか?





ノックの音で気がついた・・・





窓の外はすっかり暗くなっていて雨も止んでいた・・・







ノックと共にドアが開いて入ってきたのはあきらだった





道明寺から記憶が戻った事を聞いたのだろうか?





少し緊張した様子の彼はゆっくりと私のベッドへと近づくと横に置いてあった椅子に腰を下ろした






「調子はどうだ?大丈夫か?」






「うん、大丈夫、ありがとう。
 あきら、仕事は?」








「ああ、順調に行ってるからお前は何も心配しなくていいよ。」







「ごめんね、負担かけて・・」






「そう思うんなら、早く治せよ。」







「うん、がんばってカルシウム一杯取るね。」







「ああ。」







「ねぇ、私ね・・・」







「司から電話があった。
 思い出したんだろ?」





「うん・・・」






「全部か?」







「うん・・多分・・ほとんど思い出したと思うけど・・
 まだ細かい所は曖昧なの・・」







「そうか・・・」







「ねぇ、あきら?」







「何だ?」








「私・・どっちなんだろう?私・・牧野つくしなのかな?
 それとも美作櫻なのかな?」








「どっちもお前だろ?」









「そうなんだけど・・・何だか別人みたいで・・・
 自分の中に二人の人間がいるみたいで・・どうしていいのか分からないの・・」








「確かにな・・牧野つくしと美作櫻じゃ生活の環境もペースも何もかも正反対で
 戸惑うわな・・だけど、どっちもお前なんだから無理にどちらかに決める必要なんて
 無いんじゃないのか?」








「・・でも・・牧野つくしはもう二度と道明寺とは会わないって決めてたの・・・
 だけど・・雛の本当の父親は彼だし・・」








初めて知る牧野つくしの決意・・・



牧野は司の記憶が戻ったとしても、もうやり直すつもりは無かったのか?






「それって司の記憶が戻っても別れてたって事か・・?」









「うん、もう期待してなかったの・・彼の記憶が戻る事を・・
 それに・・雛の事・・誰にも知られちゃいけないって思ってたし・・
 道明寺のお母様にも認めてもらったわけじゃないでしょ?
 一年の猶予を貰っただけ・・だから別れるしか道は無いんだって思ってたから・・」






「だけど、今は全く状況が違うだろ?
 雛の事にしたって司のお袋さんだって喜んでるんだし、お前の事も認めてる。
 お前が牧野つくしでも美作櫻でも関係ないんだぞ!?
 それに環境が変わったって言っても仲間達みんな変わってるぞ。
 それぞれが社会人になって環境も立場も変わってる。変わったのはお前だけじゃないんだから。」









「分かってるんだけど・・やっぱり違和感があるの・・
 牧野つくしと美作櫻が上手く重ならないの・・・」







櫻の瞳が涙で潤み始めた・・・・





零れ落ちそうになる涙を必死に堪えながら俺を見ている







「櫻?あんまり深く考えるな。
 今はまだ思い出したばかりで戸惑う事も多いだろうけど、どっちだってお前なんだし、
 お前はこの先、自分が幸せになる事を一番に考えろ。どうすれば幸せになれるのかをだぞ。
 余計な事は一切考えるなよ。お前はいつも自分以外の人間の事ばっかり考えてそっちを
 優先させようとするけど、今回ばかりはそれはするな、いいな?」





「・・分かった・・けど、みんなにもちゃんと話さなきゃね・・
 心配かけたみんなにも知る権利があるもの・・あの夜の事・・」







「そうだな、じゃぁ、みんなに集合かけるか?」





「みんな仕事忙しいのに、そんな急には無理だよ。
 それに別に今日じゃなくてもいいし・・」






「甘いな、お前!
 司が俺だけに電話してきたと思うか?
 今頃、きっと全員知ってるぞ!
 だからほっといても全員集まってくると思うけどな。」





「そうだね・・」








「そうだよ。
 じゃぁ、総二郎に電話してくるな。」








そう言って櫻の病室を出た・・・














【122】



あきらが電話をかけてから30分としないうちにいつもの

メンバーが続々と集まってきた





みんな忙しいのに予定を切り詰めて集まってきてくれたのだろう・・




いつもは元気一杯で病室を訪ねてくれる滋さんも

少し緊張している様子だった







午後9時過ぎ病院の面会時間はとっくに過ぎてしまっているが
最後に道明寺とちょうどロスから帰国していた椿お姉さんが到着して全員揃った





それぞれが私のベッドを囲むように腰を下ろしている






私の右側には道明寺が座り左側にはあきらが腰を下ろした






足元の小さめのソファーには滋さんと桜子





少し離れたソファーには花沢類と西門さんそして椿お姉さんが座っている








しばらくは誰も口を開かなかった・・・






沈黙の中、私はゆっくりとみんなの顔を見回すと話しを始めた






誰も知らなかったあの夜の出来事を・・・・







「私ね・・あの夜、バイトだったの。学校が終わってお団子屋さんで8時までバイトしてたの、
 優紀も一緒だったんだけど私は新しいバイト先の面接が入ってたから優紀より先にお店を出たの。」






「お前、またバイト増やすつもりだったのか?」





西門さんが少し呆れたような声を出している






「うん、私、雛が居る事分かってたから・・学校、辞めて引っ越すつもりだったの。
 だからお金が必要だったし、お腹が大きくなってきちゃったら思うように働けないでしょ?
 だから働けるうちに働いて少しでもお金を貯めなきゃって思ってたから、朝からはパン屋さんで
 働く事が決まってたから昼間はコンビニで働かせてもらおうと思ってその面接に行く予定になってたの。」








「ねぇ、牧野?また、俺達に何にも言わないでどっか行くつもりだったの?」







「ごめんね・・でも雛の事は誰にも知られちゃいけないって思ってたから・・」






「お前・・子供一人で産んで育てるつもりだったのか・・?」





「・・うん。」






「・・俺の記憶が戻るとか考えなかったのか?」







「考えたよ・・いっぱい・・いろいろ考えた・・
 考えて出した答えがそれだったの。」








自分の事なのにまだ何処か他人事のように話す櫻と彼女の言葉にショックを受けている司








「私・・あなたの事諦めてたの・・あなたのお母様に1年って猶予をいただいたけど、
 その間にあなたの記憶が戻るなんて保証は無かったし、それに認めてもらったわけじゃないから・・
 妊娠している事が知られるのが怖かったの・・どうしても産みたかったから・・」

「あの夜、バイトが終わってお店を出たところに海ちゃんが居たの・・」







「海って・・あの女か?」








あきらが凄い剣幕で私に迫ってくる・・・






あきらの態度からも分かる・・彼も海ちゃんの事がキライな事が・・






「そう、あの海ちゃんが私の事を待ってたの・・」





「何のために?」








「私に話したい事があるからバイトが終わるのを待ってたって言ってたけど・・
 その時の私は彼女と話しをする気分じゃなかったし・・彼女の用件って道明寺の事だと
 思ったから余計話したくなかったの・・だから引き止めようとする彼女を振り切って
 歩き始めたんだけど後ろから彼女の声が追いかけてきて・・・」







「あの女、お前に何の話しがあったんだ?」







「彼女ね・・道明寺と付き合う事になったからって・・報告に来たの・・」






「サイテイ・・・」





私の告白を黙って聞いてくれていた滋さんが小さく呟くように言った後、

口元を手で覆って泣き出してしまった





その滋さんの肩を隣に座っていた桜子が優しく抱きしめている・・・






「私もそう思った・・彼女の事、無神経で嫌な女だって・・
 だけど、彼女の言葉を聞いてもうどうでもいいって思ったの・・
 道明寺が誰と付き合おうと私には関係ないって・・だから海ちゃんにも
 そう言ったの・・好きにすればって・・私、もう一秒でも彼女と一緒に居たくないって思ったから・・」







「先輩、それって当たり前の感情ですよ。
 誰だってそう思います。」







「でもね桜子。人を好きになる気持ちって理屈じゃないでしょ?
 きっと海ちゃんだって彼女なりに道明寺の事が好きだったんだよ。
 道明寺だって海ちゃんが必要だったんだよ・・」






「お前はなんでそんなにもお人よしなんだ?」





溜息混じりに呟く総二郎の声が静かな病室に響く・・






「しょうがないじゃない・・そう思ったんだから・・・
 だから私は彼女の事も道明寺の事もそんな風にしか見れない自分が嫌だったの・・
 あの夜・・雨の中を歩きながら私は自分の事が大嫌いで全部忘れたいって思った・・」




話しをしながら櫻の瞳から大粒の涙が零れ落ちた




「櫻、泣かなくていいから。」




泣き出してしまった彼女を抱きしめようと手を伸ばしかけた瞬間

俺よりも先に向かい側に座ってじっと櫻の告白を聞いていたあきらが

彼女を抱き寄せた・・・





伸ばしかけていた手は空中で行き場を失ってしまった



手を強く握り締めながら俺は一番、聞きたかった質問をぶつける




「なぁ・・記憶が戻ったんだから俺んとこ戻って来てくれるよな?
 雛を連れてNYへ来てくれるよな?」

















【123】





俺の言葉に櫻が大きく息を吐き出し、一番聞きたくなかった言葉を告げた・・・


「ごめんなさい・・今、すぐには決められない・・」




「なんでだよ!?雛は俺の娘だろ!!お前、思い出したんだよな?!
 だったらどうして!!」




「ごめんなさい・・分かってるんだけど・・私の最後の記憶は花沢類だったの・・
 私、自分の気持ちが分からないの・・今はあなたと上手くやって行く自信が無い・・」





「お前!自分で何言ってんのか分かってんのか?!」



「司!落ち着きなさい!!
 櫻ちゃんはやり直せないって言ってないでしょ!!」



立ち上がり今にも暴れだしそうな司を落ち着かせようと椿姉ちゃんが間に入ったが

司の怒りは全く治まらない




「ふざけんなぁー!最後の記憶って何だよ!!そんなもん関係ねぇーんだよ!!
 お前!今すぐ決められないって、じゃぁ何時なら決められんだよ!!」





「司!いい加減にしない!!
 これ以上大声出すんだったら此処から追い出すわよ!!」






「うるせぇーな!姉ちゃんには関係ねぇーだろーが!!
 これは俺とこいつの問題なんだ口出しすんな!!」





司が言い終えた瞬間、その場に居た全員が姉ちゃんがキレたのが分かった・・・






分かったのに・・・分かっていない男が一人・・・





『パコーンーー!!』





と、抜けるような音と共に司が吹っ飛んだ・・・





素手ではあり得ないその音に姉ちゃんを見ると





姉ちゃんの右手にはハイヒールが握られていた・・・





アレで殴られたのか・・・?





痛そー・・・





なんて思っていると姉ちゃんと目が合ってしまった・・・






「総二郎!!このバカ押さえてなさい!!」






姉ちゃんの言う事は絶対だ!!





大人しく倒れ込んでいる司の元まで行くと助け起こして

そのまま腕を押さえる・・・





司も今のショックで少し正気に戻ったのか抵抗はしなかった





そんな緊迫した雰囲気の中で動いたのは類だった




ゆっくりと牧野へ近付くと






「牧野、最後に呼んでくれたのが俺で嬉しいよ。
 ありがとう。」







優しく語り掛ける類に彼女の瞳からは再び涙が溢れ出す





「牧野、もう泣かないで。」





「ごめんね・・花沢類・・心配ばっかりかけて・・」





スーッと彼女の心の中に入り込んでいく類・・・




「ねぇ牧野?
 牧野はどうしたいの?」







「・・えっ?」






「記憶が戻ったんでしょ。
 だったら選択肢はいろいろあるよ。
 牧野つくしに戻りたい?それとも美作櫻のままでいたい?
 それに住む所だって、日本に帰ってくるのか?それともパリに帰るのか?
 もう一つ、司と一緒にNYって選択肢もあるんだよ。」




花沢類に言われて初めて気が付いた・・・





変かもしれないけど・・私・・牧野つくしに戻る事って考えていなかった・・・






それに日本に住むって事も・・・





花沢類にどうしたいの?って聞かれて一番最初に浮かんだのは・・・




パリに帰りたい・・・




だった・・・






私の日常は此処には無いから・・・







「私・・今は・・パリに帰りたい・・」






「だったら俺もパリに行くからな!
 俺はお前と雛から絶対に離れねぇーぞ!!」





再び声を荒げた司を姉ちゃんが諌めようとしたそれより一瞬早く類が






「ねぇ司?パリに行けば牧野が手に入るの?
 だったら俺も行こうかなぁ〜パリ。」







特に声を荒げる風でもなく、この緊迫した雰囲気の中でどうやったらそんなトーンで



話しが出来るんだってぐらいのんびりとした声で話す類・・・




大抵の人間はこれで気が削がれてしまうところだろうけど・・・




怒ったいる奴も普通じゃない・・・





「類!テメェーやっぱりまだこいつの事を・・上等じゃねぇーか!
 こいつに指一本でも触れてみろぶっ殺してやるからな!!」






ハァ〜会話になってない・・






「俺はそんな事、一言も言ってないよ。
 司でしょ?先に言ったのは。」






「はぁ〜?何をだよ!!
 訳分かんねぇー話し方すんな!!」




「だからパリに行くって言ったのだよ。
 司は仕事も大学も全部ほっぽってパリに行くんでしょ?
 そんな事してパリで牧野にべったりくっついてれば牧野が手に入るの?かって聞いてるの。」


「俺はそうは思わないよ。本当にもう一度牧野とやり直したいんだったらNYで牧野と雛ちゃんを
 迎える準備をするのが先だと思うけどね。それに牧野だって記憶が戻ったからってすぐにNYへ
 なんて行けるわけないじゃん。仕事だってしてるし大学にだって通ってるんだし。
 司はそう思わないの?」









「俺だってそれぐらい分かってんだよ!!
 だけど・・約束って云うか・・こいつがちゃんと俺んとこに戻って来てくれるって
 確かな物が欲しいんだよ!こいつの気持ちをちゃんと知りたいんだよ!!」











「だったらそう言えばいいのに。
 いきなりNYへ来いなんて言われたら牧野だって戸惑うだけだよ。」








そんな事、類に言われなくても分かってんだよ・・・



分かってるけど・・・




こいつの隣にはいつもあきらがいる・・・



こいつがあきらと一緒にパリに帰ってしまったら


もう二度と手の届かない所へ行ってしまいそうで怖いんだよ!!




日本の美作の屋敷に流れていた穏やかな空気が忘れられない・・



きっとパリの屋敷ではそれ以上だろう・・・



それに何より今も櫻とあきらとの間に流れる空気が怖いんだ・・






「ねぇ、道明寺・・」




遠慮気味に司を呼ぶ櫻の声・・・




「なんだ?」




「私、ちゃんと考えるから・・お願い、もう少しだけ時間をちょうだい。」






「・・・分かった、だけど俺は絶対にお前と雛を諦めないからな!
 それだけは覚えとけよ!!」






「・・・分かった・・」











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