「ああー!分かったよ!とにかく牧野が屋敷に帰ればいいんだろ?!」





「ああ、あいつが機嫌良く戻ってくりゃいいんだよ!」





さりげなく大胆な注文付けてんじゃねぇーよ!







「分かったよ!その代わり俺がどんな方法使おうと後で文句言うんじゃねぇーぞ!」





俺がそう言うと目的を達した猛獣がやっと重い腰を上げ



自分のオフィスへと戻って行った




・・結局、俺はあいつの思う通りに動かされただけじゃねぇーかよ!




くそ!あのバカ夫婦!!





なにかあれば俺んとこに問題を持ち込みやがって!




今回ばかりは俺を頼った事を後悔させてやる!!













妻が帰ってきた




それも超〜ご機嫌で!




それは嬉しいんだけど・・




妻が帰宅早々に俺に放った言葉に固まったしまった・・




「ねぇ司?楽しい誕生日パーティーにしようね!」




「はぁ?」





「え?!司が美作さんに言ったんじゃないの?
 私に誕生日のパーティーの準備をして欲しいって?」




「・・えっ・・あ、ああ・・あ、あきらはお前になんて言ったんだ?」




「司の考えじゃなかったの?」





速攻で妻の機嫌の雲行きが怪しくなり始める・・





「い、いや!言った!俺の考えだ!
 でもあきらがお前にどんな風に伝えたのか知りたかっただけだ!」





「ほんと?」





「ああ、マジだ!だから教えてくれないか?」




「美作さんはね、司が私に自分の誕生日パーティーの準備をして欲しいって。」




「それだけか?」





「え〜っとね・・後はお料理だとか場所だとかも私が選んでいいし・・
 あ!それに招待する人も私が選んでいいって言ってたけど?違うの?」





「い、いいや・・違わない・・と・・思う・・」





「ねぇ?私に誕生日パーティー開いて欲しかったんだよね?」




「ああ・・」





クソ!あきらのヤロー!余計な事言いやがって!!



俺様の誕生日は妻と二人っきりでまった〜りと甘〜い夜を過ごす予定だったんだよ!



スケジュールだってそのために誕生日の夜は空けてあったのに!




あきら、ぶっ殺す!





「ねぇ司?」



「ん?」




「楽しいパーティーにしようね!」




「ああ・・そうだな・・」





すっかり機嫌も直りパーティーをする気満々の妻に今さらダメだとも言えず




「なぁ?お前が一人で準備すんのか?
 大変だぞ?!大丈夫か?」






「うん、大丈夫だよ!椿お姉さんも居てくれるし、滋さんと桜子も協力してくれるって!
 それに美作さんのお母様も手伝ってくださるって!」





マジか・・?





「し、滋とあきらのお袋さんはいらねぇーんじゃねぇーか?」




「ん?どうして?みんな司の誕生日パーティー楽しみにしてるよ?」





そういう意味じゃねぇーんだよ!





まぁ姉ちゃんと桜子がいるから道明寺のパーティーで


それほど無茶な事はしねぇーだろうけど・・




今の俺にとって妻の大丈夫!という言葉ほど信用出来ないものは無い!




大丈夫か?俺の誕生日・・





「マジで大丈夫か?」





「大丈夫だって!ねぇ、それより一緒にお風呂に入ってパイレーツごっこする?」




「す、する!!」




「クスッ・・声、裏返ってるよ!」





「うるせぇー!笑うな!行くぞ!!」





「ギャ〜〜!!」




色気のねぇ声・・













        ←BACK/NEXT→










inserted by FC2 system