牧野に機嫌良く司の元へと帰ってもらうために・・




そして集合しっぱなしの女達に解散してもらうために・・





なんだったらお袋も連れてってくれても俺的には全然OKなんだけど・・





どうやって牧野を司の元へと帰そうか散々考えたけど



そう簡単にいい案が浮かんでくるわけもなくて




全くプラン無しのまま屋敷に帰りつき




女達に囲まれた俺の口から咄嗟に出た言葉が




司の誕生日パーティーを開くという事





まさかこんな事で上手く行くなんて思ってなかったけど



思いのほか女達の食いつきがよくて




俺の口からは滑らかに嘘が連発されて




あっという間に女達は解散してくれた





女達が帰った後・・



残念な事にお袋は誰も連れて帰ってくれなかったけど・・




自室であまりにも上手く行き過ぎた展開に少々不安にもなったが



とにかく司との約束は守ったんだから




後はあのバカがなんとかするだろう






数日ぶりに訪れた安息の夜に不安よりも安堵の方が大きかった・・・









あの夜から2週間




当然、俺も総二郎も類もパーティーに招待されている






計画立案には参加していた俺のお袋が双子を連れて親父の元へと





行ってくれているのでパーティーには参加していない事が





俺にとっては不幸中の幸いだった






それにしてもこのバカ・・





俺達が部屋に入ってきてそろそろ5分ほど経つというのに




まだ気付かねぇでやがる!




どうせ牧野に骨抜きにされたんだろうけど・・





時折、思い出したようにニヤける顔がマジで気持ち悪い・・





いっこうに俺達の存在に気が付かない司の腑抜けた顔も見飽きてた




そろそろ声掛けてやるか・・










「オイ!司!」






俺の声に司の肩がビクンと反応してやっと俺達の方を見た





「ウオッ!な、なんだよおめぇーら!?
 い、いいつからそこにいんだよ!?」






アタフタしまくりで怪しさ全開の司の横にニヤニヤ顔の総二郎が座り



肩に手を回しながらからかい始めた・・





「司く〜ん〜つくしちゃんはそんなによかったのか?」





最近、分かった事が一つ・・




普段はクールでF4の中でも司についで喧嘩早い総二郎だけど




司をからかう時だけ何故か異常に幼児化する




結婚して一年半も経つんだから




今さら女房が良かったかなんてどうでもいいだろーが!?




と思うんだけど





総二郎の言葉に見事に反応してしまう猛獣・・





「なっ!おめぇーらには関係ねぇーだろーが!
 それに俺様の女房の事を気安く名前で呼ぶんじゃねぇ!」






「まぁまぁ今日は誕生日なんだから硬い事言わねぇーで
 楽しくやろうぜ!」






「うるせぇー!俺様は一人で十分楽しいんだよ!
 邪魔すんな!出て行け!!」





一人で楽しいって・・





聴き様によっては激しく誤解を受けるような言い方すんな・・バカ!





だけどここら辺で止めに入らねぇーと




大事なパーティーに司も総二郎も



青タン作って出席する事になりかねねぇな・・




ハァ〜・・





「まぁまぁ二人ともその辺で止めとけよ。総二郎は司から離れろ!
 司!俺達は牧野に頼まれてここにいるんだから
 出て行きたくても行けねぇーんだよ!
 それよりもお前もそろそろ着替えろよ!時間ねぇーぞ!」






司から総二郎を引き離すととりあえずの目標物を失った司は




大人しく立ち上がり着替えるためにクローゼットへと消えて行った





















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