"そっか〜あっきーってそんな趣味があったんだね・・

でも大丈夫だよ!滋ちゃんはそんな事で人を判断したりしないし!

それに誰にも言わないから!"




俺の腕にぶら下がりながら独り言のように呟いた滋に


もうタメ息も出てこねぇー!!




だからそんな趣味ねぇーって!





どんだけ弁解したってもう無駄なんだろうなぁ・・




総二郎も流石にうんざりした顔してるけど・・




オイ!類!




笑いすぎなんだよ!





今の今まで眠そうだったのに牧野の声に反応して目覚ましやがって!





いい加減にその笑い引っ込めろ!






本日の主役のバカ夫婦を残して俺達は一足先に会場へと向かう




道明寺邸には大中小と三つのパーティー用スペースがあって



大抵は一番大きなスペースを使っている





今夜のパーティーもそこで開かれるらしいのだが






続々と招待客が集まってくる中





まだ誰もホールには入っておらず





ホール前で待たされている・・






それにしても・・なんだここ???






な、何が起こってるんだ???









な、なんで招待客が若い女ばっかりなんだ?





招待されている人数は多分だけどざっと見た限り200名程いる






その中で男は俺達三人だけで他はぜ〜んぶ女








それぞれが着飾り化粧もバッチリで





個々がつけている香水が目に滲みる・・






ちょっと見回しただけでもTVや雑誌なんかで見かける顔が多数あるぞ!






女優にモデルに歌手にグラビアアイドルまで・・・






どうなってんだよ?!







俺の横の立つ滋の顔を見ると





桜子や姉ちゃんと目を合わせ笑っている・・







その笑い顔を見た瞬間、背中にゾクリと悪寒が走った・・・










小声で後ろに立つ総二郎と類に話しかける






「おい!どうなってんだ?ここ・・・?」




「し、知らねぇーよ!」





幾分、総二郎の目が泳いでいるのは気になるが




それよりも今の状況を把握する方が先決だった





「ねぇ?ここに居るのってぜ〜んぶ司と噂になった人達なんじゃないの?」







「「はぁ〜〜?!」」







類の言葉に思わず大声が出てしまった




俺と総二郎に周囲の視線が突き刺さる・・





その視線に背を向け再び小声で






「お、おい!類!なんでそう思ったんだよ!?」





「だってあそこに居るのって一時期、司に付き纏ってなかった?
 それにあっちの人も写真撮られてたよね?」







あ〜あ〜言われてみれば何となく・・・














常日頃、ゴシップの対象となりやすい俺達は



パーティーで挨拶を交わしただけだとか






酷いものになると会った事もない相手と噂になる事だってある






普段からそんな物に興味は無いし



余程酷い内容で無い限り無視しているが





それでも目に耳に入ってくる物がある





俺達でさえゴシップ記事に名前が登場する機会が多いのに





俺達の家とは桁違いの道明寺家ともなれば注目度も段違いで




独身の頃は週替わりで噂になる相手が違っていた






まぁ・・




司も周囲の目など気にせずにやりたい放題だったから





記事の内容もあながち嘘ばっかりではなかったのかもしれないが・・





それでも真実は1/10・・いや1/100ぐらいだと思っていた














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