クソッ!






あのバカ女!








簡単に俺様を置いてくんじゃねぇーよ!








すんげぇ・・寂しいだろーが!!







仕事の合間を縫って電話してみると出ねぇーし・・







なんで電話に類とあきらが出んだよ?!








あのバカ女!







ちょっと目を離すとフラフラしやっがって!







許さねぇーからな!!







とりあえずの仕事を片付け






日本での予定を前倒ししてジェットに飛び乗った






日本に到着したその足で類のカフェへと向かう







妻は絶対に類と一緒にカフェに居る!








確かめたわけじゃねぇーけど









俺の野生の勘が妻はカフェだと知らせている!










妻の姿を求め逸る心を抑えきれず







早足でカフェに到着すると目に飛び込んできたのは有り得ねぇー光景・・








類の野郎が俺様の最愛の妻に寄り添い







仲睦まじく微笑みあってやがる!







許さねぇーぞ!!











「類!つくしから離れろ!」








「あれ?どうしたの司?」








突然、現れた俺に驚きすっとんきょうな声を出している妻











「お前も何やってんだよ?!
 類から離れろ!ちょっと目を離すとすぐに類にフラフラしやがって!」









「フラフラなんてしてないわよ!失礼ね!」









「してんじゃねぇーかよ!
 オイ!類!そこどけ!!」










怒鳴りながら近付き類の腕を強引に掴み上げると







類が少し腰を浮かせたタイミングで類と妻の間に割り込んだ













猛獣が突撃してきた・・







突然カフェに現れた猛獣は類と牧野が寄り添っている事に激怒し








間に割り込むように腰を下ろした








ハァ〜・・やっかいなのが一人増えたぞ








類は昔っから猛獣が怒っていても何をしていても






何処吹く風で全く気にしないタイプだし








牧野にしても最近では慣れたものでまともに相手にはしていない・・









一人怒鳴っている猛獣の怒りが空回りして横滑りしていく・・










「オイ!お前は本当に俺様の事を愛してんのかよ?!」








怒りに任せてなんの確認してんだよ?









「い、いきなり何言ってんのよ?!」






「いきなりじゃねぇーよ!答えろ!」










「答えろって・・あんたは私の事、信じてないんだね・・
 あんたこそ私の事を愛してるの?」









逆切れじゃねぇーのか?






だけどこの猛獣は妻の涙と逆切れに弱いんだな・・







司に気持ちを確認された牧野の瞳に涙が浮かび始める







便利な涙だと思うけど・・







その便利な涙に簡単に嵌っていく猛獣・・











「な、なんで泣くんだよ!?泣くなよな、卑怯だぞ!」









「だって・・あんただけは何があっても私の事を信じてくれてると思ってたのに・・
 それなのに・・愛してるかどうかの確認なんて・・悲しいよ・・」








俺も悲しいぞ!







俺の哀しみにも誰か気付いてくれよ!









「し、信じてるよ!信じてる!お前の事は世界で一番信じてる!
 だから泣くな!」









「嘘ばっかり!
 今、愛してるのかって聞いたじゃない!司の嘘つき!」








「う、嘘じゃねぇーよ!信じてるよ!」








慌ててる猛獣がかなり面白い








「じゃあ、私の事、愛してるって言ってよ。」








「愛してる!お前だけを誰よりも愛してる!」









言わされてどうすんだよ!





すっかり形勢逆転でオロオロしている猛獣に最初の勢いはもう無い









なんだ?・・このバカップルは・・?















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